九星気学の「陰遁(いんとん)始め」「陽遁(ようとん)始め」をご存じですか?
年に1回ずつ起こる特別な日です。
2021年7月15日は陰遁始めです。
暦の注釈にもよく記載されているこの日は、季節の切り替わりを表す節目として、古来から日本では重要視されてきました。
具体的にいいますと、日の九星の回り方が変わり、気が大きく変化する日です。
自分自身の気持ちの切り替えと、これからの在り方を考えて行動に変化をつけていく日です。ターニングポイントとなる大切な日を知り気の流れをキャッチして、運気を味方につけてステップアップしていきましょう。
※陰遁は、流派によって、隠遁(いんとん)と表記する場合があります。
目次
- 陰遁(いんとん)始め・陽遁(ようとん)始めって、なに?
- 日の九星の回り方の変化とは
- 2021年の陰遁始め・陽遁始めは、いつ?
陰遁始め 2021年7月15日(木)甲子 九紫火星の日
陽遁始め 2022年1月11日(日)甲子 一白水星の日
(※九星気学の暦では、2022年2月3日までは、2021年となります。) - 陰陽とは
- 陰遁始めの過ごし方/陽遁始めの過ごし方
陰遁と陽遁の気の流れ方
陰遁始めのおすすめの過ごし方
陽遁始めのおすすめの過ごし方 - 付録:九星気学の閏(うるう)年とは
- まとめ 運の良い人は気の流れにのっている
陰遁(いんとん)始め・陽遁(ようとん)始めって、なに?
和暦によく記載されている「一白水星」「五黄土星」などの「九星」は、年・月・日・時の全てに一つずつ割り当てられています。
これらは、数字の順番に沿って暦を回っています。
それらのうち「日」と「時」の九星は、半年に一度、並び順が反転します。
九星気学の日の九星は、回り方がこの陽遁(ようとん)・陰遁(いんとん)で変化し、この並び順が反転する日をそれぞれ「陰遁始め」「陽遁始め」といいます。
日の九星の回り方の変化とは
具体的には、
夏から冬に向かう期間は、九紫火星から数え始め、毎日の九星が
九紫火星→八白土星→七赤金星~というように降順に変わります。
これは、自然界に陰の気が満ちていくことを表しています。
これを「陰遁(いんとん)」と呼び、この陰遁が降順に切り替わる日を
「陰遁始め」の日といいます。
冬から夏までの期間は、一白水星から数え始め、毎日の九星が
一白水星→二黒土星→三碧木星~というように昇順していきます。
これは、自然界に陽の気が満ちていくことを表しています。
これを「陽遁(ようとん)」と呼び、この陽遁が降順に切り替わる日を
「陽遁始め」の日といいます。
「日の九星」はこんな風に変化します。
・陽遁が180日続き、陽遁から陰遁に切り替わる時は九紫が2日続く
そして、
・陰遁が180日続き、陰遁から陽遁に切り替わる時は一白が2日続く
というれが続きます。
※陰遁・陽遁の切り替わりは、年と月の九星には関係ありません。年と月の九星は、常に一定に変化していきます。
星の回る順番が入れ替わる日が、陰遁(いんとん)と陽遁(ようとん)の始めです。
「陰遁始め」となる日は、毎年「夏至に最も近い甲子の日」、
「陽遁始め」となる日は、毎年「冬至に最も近い甲子の日」、となります。
これは、六十干支と九星の組み合わせが一巡する期間となっています。
※60干支と9星の最小公倍数=180日≒半年に一度です。
※日の九星
近距離や日帰りなどの吉方位を調べる時に使う九星です。
例えば、仕事の取引・交渉を有利にすすめたい、良い買い物をしたい、
楽しいデートにしたい、イベントを成功させたい、などです。
※時刻に割り当てられる九星
陰遁・陽遁始めの「子の刻」から切り替わります。
こちらも日の九星と同様に、陰遁から降順、陽遁から昇順となります。
2021年の陰遁始め・陽遁始めは、いつ?
陰遁始め 2021年7月15日(木)甲子 九紫火星の日
陽遁始め 2022年1月11日(日)甲子 一白水星の日
(※九星気学の暦では、2022年2月3日までは、2021年となります。)
7月15日(木)陰遁始め
陰遁(いんとん)始めは、
7月13日(火)八白土星
7月14日(水)九紫火星
7月15日(木)九紫火星・甲子←陰遁始め
7月16日(金)八白土星
この日を境に降順の回り方になります。
1月11日(火)陽遁始め
陽遁始めは、
1月 9日(日)二黒土星
1月10日(月)一白水星
1月11日(火)一白水星・甲子←陽遁始め
1月12日(水)二黒土星
この日を境に昇順の回り方になります。
※甲子日で陰遁・陽遁が切り替えになります。
陰陽とは
陰陽五行説において「陰陽」は、宇宙のすべてのものを陰陽に分けるという考え方です。
古代中国の神話に出てくる皇帝の伏儀(ふくぎ)が説いたという説と、それよりもさらに古来からあったという説があります。
陰陽は二つで両立して存在し、裏表の存在です。どちらが良い悪いもありません。
例えば、
陰 陽
月 太陽
偶数 奇数
闇 光
水 火
冬 夏
夜 昼
女性 男性
精神 肉体(行動)
などが代表的な陰陽です。
これらを見ていただけるとわかりやすいと思いますが、どちらが優れているとか劣っているとか、正しいとか間違っているとかではない、ということです。
どちらもなくてはならない、一方がなければもう一方も存在しない、という考え方が「陰陽思想」です。
元々は、陽の気が上がって天になり、陰の気が下にたまって大地となったといわれています。
個人的には、
陰がよければ陽もよくなる
陽がよければ陰もよくなる
と考えています。
陰遁始めの過ごし方/陽遁始めの過ごし方
陰遁と陽遁の気の流れ方
陰遁は、一年の陰陽が切り替わる時で暦の中間点であり、一年の「折り返し地点」を示す指標です。
陰遁始めの日は、陰へ向かう極陽(陽が極まっている)の時期となります。
この日から少しずつ「陰」の気が増えて、「陽遁始め」に向かっていきます。
陰遁の時には、すべてのものに陰の気が満ちていくと考えられています。
「陰の気」といいうと、ネガティブに聞こえてしまいそうですが、
決してそうではありません。
すべてにおいてバランス(中庸)というものがあり、
陰には陰の使い方があり、
陽には陽の使い方があり、
それぞれに相応しいエネルギーの使い方というものがあります。
日々の生活の中で、このエネルギーを正しく使えることができるようにしていくと、
気の流れがスムーズになっていきます。
陰と陽、それぞれに役割があります。
・陽の気…肉体・行動的・明るい・発散(外に向かう)・春夏の気
・陰の気…精神・リラックス・優しさ・吸収(内に向かう)・秋冬の気
夏至と冬至の直近の甲子の日、陰遁始めの日・陽遁始めの日は、
「エネルギーの転換日」で気の流れが大きく変わるといわれています。
・夏至を過ぎれば徐々に日照時間が短くなります。
→自然の万物が衰微する時期が「陰遁」。
・冬至を過ぎれば、徐々に日照時間が長くなります。
→自然の万物が伸長する時期が「陽遁」。
陰遁始めからは徐々に万物が衰微する時期です。
植物で例えるならば、花が咲いて、実が生り、枯れ葉となっ
て葉が落ちていくという時期です。
ですので、これに合わせて私たちの生活を考えると、
新規のことにどんどんチャレンジしていくというよりも、
今までやってきた事を完成させて(実らせて収穫する)、
次のステップへの準備をする時期に適しています。
次の陽遁始めまでの期間に今までの成果を収穫できるか、
また、次のステップへの種まきの準備へ行動を移せるか、が大切な時期といえます。
また、この日は60日に1度やってくる吉日の甲子の日と重なります。
甲子日のパワーを借りて完成・完結し、成果を出していきましょう。
衰微とは、勢いが衰えて弱くなること、を表しますが、陰陽においては悪い意味ではありません。
長い期間、成長し続けていくばかりでは、いずれ、体力と気力が低下しかねません。
実らせて、成果を収穫し、一呼吸おいて次への準備をする期間が必要なのです。
◆2021年甲子の日にすると良いこと
https://pluskigaku.com/kaiun/kaiun-5/
陰遁始めのおすすめの過ごし方
「陰遁始め」の日は、陰の気である冬の季節へと向かうスタートの日です。
日照時間か徐々に短くなり自然の万物か衰微する時期です。
冬へ向かっていく生命力は、蓄え温存していく流れに入ります。
陰の気は、精神が主体になりますので、暮らしの中にリラックスできるコトやモノ、
ホッとできるような安心感をプラスすると良いでしょう。
例えば、
・心が落ち着くような音楽を聴いたり本を読んだりする。
・アロマキャンドルや生花など心身が穏やかでいられるようなアイテムを
生活に取り入れる。
・ストレッチやヨガをして身体をほぐす。
・ほっこりするような癒しグッズを充実させる。
などです。
また、この盛りが過ぎて減退していく自然界の流れに合わせて、
・能動的ではなく受動的に動く。
・攻めより守りの姿勢でいる。
・自分の足りないところは何かを考え認識する。
・自分に不足していることを補うような勉強、スキルアップする学びの期間に充てる。
・周囲から声がかかりやすい温和な態度でいる。
・健康診断などで体調をチェックし管理する。
など、日々の生活を陽の季節へ向けて力を蓄える姿勢でいることをおススメします。
その他、陽遁期間(冬から夏にかけて)に活性しすぎた生活を整えるのに最適な時期となります。
特に、九星気学は方位や風水と縁がありますので、インテリアを替えるなど、
環境に変化を加えることがおススメです。
次の陽遁始め(2022年1月11日)までの期間に今までの成果を収穫して、
人生のステージをアップするための下準備に入りましょう。
まだまだ暑い時期はこれからが本番ですが、陰の気が増えていることを意識して、
ゆったりとお過ごしください。
陽遁始めのおすすめの過ごし方
「陽遁始め」の日は、陽の気である夏の季節へと向かうスタートの日です。日照時間か徐々に長くなり自然の万物が伸長する時期です。
夏へ向かっていく生命力は、最盛期を迎える流れに入ります。
陽の気は、肉体(行動)が主体になりますので、日々を活動的に過ごせるようにしていくと良いでしょう。
例えば、
・会いたい人に自分から会いに行く。
・自分の良い所をアピールする。
・いろんな人がいる場所に出向く。
・友人の誕生日会を企画する。
・新しいことにチャレンジしていく。
などです。
この活気づき勢いが増していく自然界の流れに合わせて、
・受動的ではなく能動的に動く。
・守りより攻めの姿勢で。
・自分の伸ばしていきたいところを認識する。
・自分から積極的に声をかける。
・運動を習慣に取り入れる。
など、日々の生活を積極的に動く姿勢でいることをおススメします。
ネガティブなニュースに耳を傾けるのではなく自分の未来を描いていきましょう。
付録:九星の閏(うるう)年とは
九星気学の暦には、12年に1度、九星の閏(うるう)年がきます。
昨年、2020年は九星の閏年でした。
前回はその12年前の2008年で、
次回はその12年後の2032年です。
九星の閏年になると何が違うのか?
切り替わりの日と九星の切り替わる星が違います。
2020年の陰遁始めは、甲午日に三碧木星で切り替わりました。
そして2019年までは陽遁始めが11月でしたが、九星のうるう年の関係で2020年は陽遁始めがなかったのです。
そのため、2021年(2020年2月2日迄は2020年ですが)の陽遁始めは1月16日・甲子の日になりました。
ざっとおさらいで通常の陰遁・陽遁は、
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日の九星には数字を増やす陽遁・減らす陰遁がある。
カレンダーに、陰遁始め・陽遁始め、と記載されているものも。そういうカレンダーには大体「一白」、「五黄」などの九星が毎日割り当てられている。
その数字をよく見てていくと、
「九紫」→「八白」→「七赤」~と数字を減らしていく期間
と
「一白」→「二黒」→「三碧」~と数字を増やしていく期間
がある。
この期間は180日ずつと決まっていて
夏から冬にかけては数字を減らしていく「陰遁(いんとん)」
冬から夏にかけては数字を増やしていく「陽遁(ようとん)」
といい、
陰遁が始まる切り替えの日を「陰遁始め」
陽遁が始まる切り替えの日を「陽遁始め」
といわれている。
この九星の陰遁始め・陽遁始めは年に1回ずつあり、その決め方は決まっています。
冬至に最も近い甲子の日を一白として陽遁を始める。
夏至に最も近い甲子の日を九紫として陰遁を始める。
とされています。
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ここまでは、おさらいでした。
そして、本題の九星の閏年についてです。
九星の閏年は陰遁始め、陽遁始めの決め方が変わります。
日の九星は、
陽遁が180日続き、陽遁から陰遁に切り替わる時は九紫が2日続く、
そして陰遁が180日続き、陰遁から陽遁に切り替わる時は一白が2日続く、
という流れが続きます。
年で360日分しかないので、これが九星のうるう年を作る理由です。
陽遁と陰遁を合わせて360日とすると、
やがて冬至・夏至に最も近い甲子の日が切替日ではなくなってしまいます。
そこで、11年~12年に一度、陽遁・陰遁の期間を30日ずつ延長して、陽遁を210日、陰遁を210日ずつとして、ずれを調整します。
この延長された期間の60日を「九星の閏(うるう)」といいます。
九星の閏の決め方は?
九星の閏の決め方は、
実は流派による違いがあり統一されていませんが、次のようなものが一般的です。
冬至前後に九星の閏を置く場合、
その期間中の甲午を七赤として陽遁を始める(七赤が2日続く)。
夏至前後に九星の閏を置く場合、
その期間中の甲午を三碧として陰遁を始める(三碧が2日続く)。
となります。
まとめ 運の良い人は気の流れにのっている
いかがでしたでしょうか。
気の流れと、その流れに合わせた過ごし方、どういう姿勢や心持ちで日々を過ごしていくのがよいのか、おわかりいただけましたでしょうか。
「運が良い」とか「運が悪い」などとよくいいますが、運が良い人というのは、こういうタイミングや気の流れを上手く日常に取り入れ活用しています。
攻め方、動き方をよく知っていらっしゃる方が実に多いのです。
例えば、生活の中で例えると、雨の日は傘をさしレインコートを着て雨をよけ、暑い日は薄着をして水分補給をこまめにとり木陰で休む、などが運の良い人の日常だとします。
雨の中をずぶ濡れになっても駆け抜ける、暑い日でも構わずに炎天下の中を歩きまわる、などがその逆の人といえます。
これは、良い悪いというわけではなく、いかに自然の摂理にそっているかということの例えなのですが、雨の中、炎天下の中でがむしゃらに頑張るのはもちろん根性があって素晴らしく一度や二度ならよいのですが、そういう取り組み方を続けていくと、どこかで壁に当たりガタがくるものです。自然の流れにそって行動の在り方・戦い方を考えると良いということです。そうすることで体力が温存でき、そして、知恵と活力が湧いてきます。
気というものは見えないので意識している方がまだまだ少ないように感じますが、日々の暮らしの中に存在しています。例えば、楽しい気持ちの「気」、嬉しい気分の「気」です。
このときの「気」というものは見えないのですが、なんだか気持ちが高揚してる、これが、「気」の正体です。
毎日忙しく過ごしていると、ついつい目の前のことだけにとらわれてしまうのは誰しも同じかもしれません。運気の波の舵を自分でとらないと、流されてしまいやすくなります。
気の流れを知って活用し、運気の波の舵を自らとって、上手に乗りこなしていきましょう。
7月15日の陰遁始めは、今年の気の流れが大きく変わります。
2021年の後半、皆さまがますます快適に過ごしていけますように。
そして、あなたの運勢がますます良くなりますように。
心地よい毎日を皆が過ごして、笑顔の輪がリレーすることを願っています。
●その他の開運暦
◆暦の解説と2021年開運暦一覧表
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◆2021年恵方参りガイド
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