「土用」というと、夏の土用の丑の日に鰻を食べるイメージを持たれる方が多いのではないのでしょうか。
実は、「土用を制するものは運を制する」といわれるのが土用期間です。
これを知っておくと運勢の土台の安定に役立ちます。
土用期間は季節の変わり目で体調を崩しやすいので、ゆったりと養生することが最も良いとされています。
それは、土用の神様である土公神(どくしん・どこうしん)が土を耕している期間であり、自分の足元がおぼつかなくなる、だから、動かない方がいい、と古来からいわれています。
ですから、いろんな所へ行ったり、新しいことを始めるよりも養生することで運勢の土台が安定するのです。
みんなが動いているから大丈夫、ではなく、土用期間に養生し、運勢の土台をしっかりと固めましょう。
目次
- ①土用ってなに?
- ②土用の期間と神様
- ③2022年の土用期間はいつ?
- ④土用の間日(まび)
- ⑤土用期間の食べ物
- ⑥土用の丑の日
- ⑦土用期間にしない方がいいこと
- ⑧土用殺について
- ⑨土用期間にした方がいいこと
- ⑩土用期間中に起こりやすいこと
- ⑪まとめ
①土用ってなに?
土用というと「土用の丑の日」「鰻を食べる日」と夏を思い浮かべる方も多いと思いますが、土用は各季節にあり、年に4回あります。
陰陽五行説では、春・夏・秋・冬をそれぞれ木・火・金・水とし、土を各季節の終わりの18日間に当てはめました。
立春、立夏、立秋、立冬の直前の18日間を土用といいます。
それぞれの土用の最初の日を「土用の入り」、最後の日を「土用明け(または節分=季節を分ける日で春夏秋冬がその日から入れ替わる)」といいます。
土用の18日間は、季節が変わる時期で体調を崩しやすいので、重労働(力仕事や気遣いするような催し事など)はなるべく控え、栄養のあるものを食べて休んでおきましょうと、先人が作ってくださった慣習かもしれません。
②土用の期間と神様
土用の期間は、土用の入りから土用明け(節分)までの18日間です。
この期間は、土公神(どくしん・どこうしん)という土を司る神様が土の中から出てきて地上にいらっしゃる期間とされていて、この期間は土を動かしてはいけないとされています。
土を動かすというのは、
土いじり、草むしり、柱立て、基礎工事、壁塗り、井戸掘りなどを含む穴掘り、増改築など。
※土用前に着手した農作業や増改築については行ってもよいとされています。
土用期間中は、転職、就職、結婚、結納、開業、開店、新居購入などの新しいことや、大きな決断(判断が鈍る)、旅行(土用殺方位)などしてはいけないともいわれています。
③2022年の土用期間はいつ?
2022年は、
冬土用:1月17日~2月4日 (丑の方)
春土用:4月17日~5月5日 (辰の方)
夏土用:7月20日~8月7日 (未の方)
秋土用:10月20日~11月7日 (戌の方)
最初の日を「土用入り」最後の日を「土用明け(節分)」といいます。
④土用の間日(まび)
土用の期間ごとに土を掘り起こしてはいけないなどでは仕事がなかなかはかどらないので「土用の間日」と呼ばれる日があり、この日は土公神が文殊菩薩に招待されて天上に行く日で土を離れるので、土を動かしても問題がないとされています。
これは四季によって、決まった十二支の日で3~6日あります。
◆冬土用の間日:寅・卯・巳の日
※2022年は1月25日(寅)・26日(卯)・28日(巳)
◆春土用の間日:巳・午・酉の日
※2022年は
4月22日(巳)・23日(午)、4月26日(酉)・5月4日(巳)・5日(午)
◆夏土用の間日:卯・辰・申の日
※2022年は
7月25日(卯)・26日(辰)・30日(申)、8月6日(卯)
◆秋土用の間日:未・酉・亥の日
※2022年は
10月21日(未)・23日(酉)・25日(亥)、11月2日(未)・4日(酉)・6日(亥)
⑤土用期間の食べ物
それぞれの季節において春夏秋冬の順番に、頭に「イ・ウ・タ・ヒ」が付く食べ物と、四色の食べ物です。
四色の食べ物については、季節の色が決まっていて(春:青、夏:赤、秋:白、冬:黒)と反対の色の食べ物を食べるのがいいとされています。
春には秋の色「白」の食べ物、
夏には冬の色「黒」の食べ物、
秋には春の色「青」の食べ物、
冬には夏の色「赤」の食べ物
を食べるのです。
五行の教えからくるのですが、例えば、夏の暑いときには冬の寒さを取り入れることで、夏の暑さの負担を和らげて、身体を養生していこうという意味合いがあります。
そのことから、春には秋の色「白」の食べ物、夏には冬の色「黒」の食べ物、秋には春の色「青」の食べ物、冬には夏の色「赤」の食べ物を食べるのです。
◆冬土用の未の日
「ヒのつくもの」ひじき・ひよこ豆・ひえ・ヒラメ・ヒラマサ・ひなあられなどです。
「赤いもの」イチゴ、リンゴ・トマト、エビ・カニ・鮭・鯛・たらこ・赤カブ・小豆・赤とうがらしなどです。
◆春土用の戌の日
「イの付くもの」イカ・イワシ・インゲン・イチゴ・イチジク・イナリ寿司などです。
「白いもの」大根・豆腐・イカ・白身魚・白ネギ・玉ねぎ・うどん・そうめん・ごはん・餅などです。
◆夏土用の丑の日
「ウのつくもの」梅干し・うどん・ウリ・うずら豆・ういろう・ウルメイワシ・うぐいす餅・うなぎ・うになどです。
「黒いもの」しじみ・黒豆・ひじき・海藻・ゴボウ・こんにゃく・ごま・あんこ・黒砂糖・醤油などです。
◆秋土用の辰の日
「タのつくもの」玉ねぎ・高菜・タコ・タイ・太刀魚・タラコ・たくあんなどです。
「青いもの」サバ・サンマ・イワシ・茄子などです。
⑥土用の丑の日
十二支の丑のことです。
土用は約18日、十二支は12日あるので、丑の日が、2日ある年も出てきます。
2日目の丑の日は、「二の丑」と呼ばれています。
なぜ丑の日に「牛」ではなくて「ウナギ」を食べるのでしょうか。
これには諸説ありますが、江戸時代のウナギ屋の戦略という説が有力です。
古来より、土用の丑の日には梅干しやうどんなど「う」の付くものを食べる習慣があったのですが、ウナギは旬が冬で夏にはあまり売れず、ウナギ屋が困っていましたた。
平賀源内に相談したところ、「“本日丑の日”という張り紙を店に貼って宣伝したらいいのではないか」というアイデアをもらい、そこから、ウナギ屋が宣伝して、夏バテ予防に滋養のあるウナギを食べる習慣になっていき、広まったという説があります。
では、なぜ牛は食べなかったのかというと、牛は、当時の人々にとっては貴重な労働力で、田畑を耕したり、荷物を運んだりなどしていたのです。
また、地方によっては、神様の使いとされていたりして、食べることは出来なかったともいわれています。
⑦土用期間にしない方がいいこと
土用の期間は、土を司る土公神(どくしん・どこうしん)という神様が支配するといわれ、動土(土を動かすこと)をしてはいけないとされてきました。
現代でも、家などを建築する際の基礎工事などは土用の期間をはずす方が多いです。
土用は季節の変わり目ですから、気の流れが不安定になります。
そのため体調も崩しやすく、気が弱まりやすいとされています。
ですから、土用の期間は、重労働や新しいことなどは謹んで、滋養のあるものを食べて心身ともにゆっくりと労りながら過ごしましょうという先人の知恵といわれています。
具体的にはこちらです。
◆土に関することはしない。
土いじり、畑やガーデニング、また、穴・井戸を掘らない。
※仕事でやむを得ずしなくてはならない場合は、土に直接触れないようにグローブをすることをオススメします。
◆家屋のリフォーム、増改築をしない。
柱を立てたり、橋をかけたりしないことも含まれます。
◆大きな契約ごとは避ける。
開業、結婚、結納、転職などは避けた方がよいでしょう。
◆なるべく引っ越しをしない。
引っ越しの他、新居の購入は土用期間を避けた方がよいでしょう。
※引っ越しは、
・土用期間前に決めていること
・吉方位であること
・本人が全く気にならないこと
であれば良いでしょう。
◆なるべく旅行に行かない。
自分の持っている気を安定させるためには、この期間は遠方や知らない土地に行かない方がいいとされています。
特に、その季節の土用殺(⑧参照)は皆さん共通で凶方位となるのでできる限り避けましょう。
◆なるべく電化製品を購入しない。
土用期間で購入した電化製品は壊れやすいといわれています。
土を触る作業をしてはいけなかったり、大きい契約や買い物、新しいことを始めたり、新しいところに行かない方がいいとされてきました。
ただし、農作業などで、どうしても作業をしなければならないときは、間日(④参照)に行えることになっています。
⑧土用殺について
土用の期間、凶方位とされる方角があります。
春土用は南東
夏土用は南西
秋土用は北西
冬土用は北東
になります。
この方角がたとえ吉方位であったとしても、土用の期間は、移動や旅行はしない方がよいとされています。
この方角に行ってしまうと、怪我をしたり、災難に合ったりしやすいとされていますので充分気をつけましょう。
⑨土用期間にした方がいいこと
土用は、新しいことも旅行もしない方がいいとなると現代では楽しいことができないと思われるかもしれませんが、土用にすると良いとされることがあります。
土用の期間は、あちこち動かずに、ガーデニングなどの土に触れること以外で家の中でできることをすると良いといわれています。
たとえば、
◆大掃除をして家を綺麗にする。
※特に年末の大掃除でしかしないようなちょっと面倒な場所や、裏側や隠れたような場所を掃除すると良いです。
◆断捨離をする。
◆整理整頓をして部屋を綺麗に保つ。
◆普段使っている乗り物の定期点検をする。
◆季節に応じたお部屋の模様替えや衣替えをする。
などです。
自分の家の土台ともいえる家を整えることは、土用の特徴である「腐敗と再生の気」にのっている開運行動といえます。
夏土用は特にこれらが良いとされています。
◆衣類や書物の虫干しをする。
◆薬草などを入れたお風呂に入る。
◆うなぎや梅干しなど「う」のついたものを食べる。
◆梅干しの天日干しをする。
⑩土用期間中に起こりやすいこと
日常生活でどんなことが起こりやすいのでしょうか。
具体例を挙げておきます。
・肌荒れや皮膚トラブルになりやすい。
・普段仲が良いのに、ちょっとしたことから口論になり喧嘩しやすくなる。
・電化製品が壊れたり、電波障害などの電気系統のトラブルに見舞われやすい。
・感情が不安定になりやすい。ネガティブな感情が湧きやすい。
・いつもは選ばない方を選びやすい。
・体調を崩しやすい。
などです。
これらを踏まえて、睡眠をしっかりとるなど体調管理や事前に対策できることはして、それでも何か起きたら、
「これは土用の特徴である腐敗と再生の気がきているんだ」と思うようにしましょう。
土用は、五黄土星の腐敗と再生の気で季節の変わり目を調整しています。
腐敗して、悪いものが出れば、その後、必ず再生して良くなっていきます。
何か起きてもがっかりすることはありません。
「良くなることの前触れ」と受け止めて土用期間が過ぎるのを待ちましょう!
⑪まとめ
土用とは季節の変わり目のことであることがご理解いただけたのではないでしょうか。
そのため気が不安定になりやすい期間であり、私たちも体調を崩しやすくなったり、感情の波がたったりしやすくなります。
美しい四季がある日本だからこそ、この土用が重要なのです。
土用の期間はできるだけ身体を休めましょう。
そうすることで、気が定着するのです。
先に申しましたが、
「土用を制するものは運を制する」といわれる土用期間です。
これを知り、養生をして、運勢の土台の安定に役立てていただければ幸いです。
●その他 暦の解説など
◆2022年|開運暦 吉日|一粒万倍日 天赦日 寅の日 巳の日 甲子の日 己巳の日 カレンダー
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◆2022年恵方参りガイド
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◆2022年 陽遁始め 陰遁(いんとん)始め 運気の流れにのる過ごし方
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◆2022年甲子の日の過ごし方 開運アクション
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◆2022年己巳の日の過ごし方 開運アクション
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◆2022年土用期間の過ごし方 開運アクション
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◆夏越しの祓 茅の輪くぐり 人形祓 方法
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◆2022年8月8日ライオンズゲートの過ごし方 開運アクション
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